今年の6月28日から公開された日本映画『今日も嫌がらせ弁当』。
八丈島を舞台に、反抗期を迎えた娘とその母親が織りなすホームドラマが魅力的なこの作品。
一見フィクションのようですが、実話を元にしたストーリーなのです。
今回は『今日も嫌がらせ弁当』について詳細を紹介していきます。
今日も嫌がらせ弁当は実話を元にした話
この作品の原作は2015年に出版されたエッセイ本です。
「反抗期になった高校生の娘を相手に、3年間母親(著者)が『嫌がらせ弁当』で反撃する」という内容で、実際のお弁当の写真なども掲載された読み応えのある本でした。
しかし、厳密にはエッセイ本にも、さらに原作が存在します。
著者であるKaori(ttkk)さんはブログ活動を行っているのですが、『今日も嫌がらせ弁当』はブログに掲載されている記事の中でも評判の多い記事や写真を抜粋してまとめ上げたのが、エッセイ本バージョンなのです。
ブログの時点では本当にただの『日記』だったため、飾らない、リアルな母親の感覚が描かれています。
そうしたリアリティが、この作品の人気につながったと考えられますね。
映画版の登場人物
映画版の『今日も嫌がらせ弁当』は、八丈島と東京の、2つの家族を中心としたホームドラマに仕上がっています。
それぞれ八丈島では原作者がモデルの持丸親子。東京では、ブログ『今日も嫌がらせ弁当』の読者である、シングルファーザーの岡野親子の物語が描かれます。
映画版のネタバレあらすじ
物語のきっかけは、シングルマザーである持丸かおり(篠原涼子)の娘である双葉(芳根京子)が反抗期を迎え、口も聞かず目も合わせないような状態になったことから始まります。
高校の入学式を機に、双葉に対するかおりの『嫌がらせ』が始まりました。双葉は学校ではクールなイメージで通していたのですが、昼休みになって弁当を開けてみると、なんとかわいらしい「赤ずきんちゃん」のキャラ弁が出てきたのです。
これが長きにわたる『嫌がらせ弁当』のきっかけでした。
その後も、次々とありとあらゆるキャラ弁を披露するかおり。双葉は鬱陶しがりますが、いつしかクラスの名物となっていきました。
母親への対抗心も手伝ってはいますが、毎回全部食べきっている辺りから、双葉の性根の良さが伺えます。
ブログを始めるかおり
やがてかおりは「せっかく作っているのだから誰かに見てほしい」と考え、ブログを始めます。
これが見事にウケて、ブログはあっという間に大人気になりました。
そんな彼女のブログに興味を持ったのが、東京在住のシングルファーザー、岡野信介(佐藤隆太)です。
彼は半年ほど前に妻と死別し、5歳の一人息子である健太郎の弁当づくりに苦戦していたのです。
信介はブログを通じて、かおりにキャラ弁づくりの指導を依頼しました。
許諾したかおりはキャラ弁づくりをレクチャーするのですが、次第に子育ての悩みなども打ち明けられるようになりました。
そしてかおり自身、娘が幼い頃に朝から晩まで働きづめで寂しい思いをさせていたことを打ち明けるのでした。
今日も嫌がらせ弁当の結末は?
月日は流れ、双葉は3年生になりました。相変わらずかおりの『嫌がらせ弁当』は続いています。
幼なじみで片想い中の達雄(佐藤寛太)が東京への進出を夢見ているのもあり、双葉は東京での就職を決意します。
双葉は、全国太鼓大会に出場する達雄のためにキャラ弁を作りました。珍しく、まじめに母親に頼んで作り方を教えてもらったのです。
ところが、ここで悲劇が起きました。
達雄には、すでに彼女がいたのです。しかも、双葉が希望していた東京の会社からは不合格通知が届きました。
2つの出来事が重なり、双葉はひどくショックを受けてしまいます。
かおりは翌朝の弁当に「無駄なことはない」とメッセージを送ったのですが、これが逆効果。
双葉は弁当を床にぶちまけて、家を飛び出してしまいます。
幸い双葉の姉である若葉のフォローもあり、後日仲直りすることが出来ました。
母親の大変さも素直に受け止め、別の食品会社(やはり東京)で内定もとれました。
苦難を乗り越え順風満帆になったと思われた親子でしたが、新たな試練が襲いかかってきます。
かおりが初期の脳梗塞で倒れ、入院することになってしまったのです。
最後の嫌がらせ弁当
このお弁当に注目✨
弁当でご出演の #小島よしお 弁当🍱
「おっぱっぴ〜」「ウェ〜イ」みなさんぜひ映画でチェックしてみてください👀🌈 pic.twitter.com/SBNRZtWFNt
— 映画「今日も嫌がらせ弁当」 (@kyo_mo_iyaben) 2019年7月3日
周囲の環境がよかったのもあり、かおりは順当に起伏していきました。
そして、かおりはもうすぐ卒業する双葉のために最後のお弁当を作りたいと考えるようになります。
入院中のかおりでしたが、若葉の協力で材料を用意し、夜中にこっそり病院を抜け出して弁当づくりに勤しみます。
右手がまだ充分に動かせない状態でありながらも、普段の倍以上の量を作り、重箱二段のスペシャル弁当が完成しました。
そして、卒業式の日。若葉が「謎の人物からのお祝い」と称して双葉に渡したその弁当は、なんと表彰状をモチーフにした弁当でした。
『表彰状 娘殿 あなたは嫌がらせの弁当を残さず三年間食べ続けました。その忍耐をたたえ、ここに表彰します。 母』
唐草模様や鳥の縁取りも完璧に再現されていた弁当を見て、双葉は泣き笑いしながら、クラスメイトと最後のお弁当を楽しみます。
そして春が訪れ、双葉は就職のために島を出発し、かおりもそれを見送ったのでした……
今日も嫌がらせ弁当の感想や評価
続々と登場する愛情たっぷりの嫌がらせ弁当💕#すぎちゃん 弁当🍱✨
ぜひみなさんも映画を観て気になった弁当に挑戦してみてはいかが? pic.twitter.com/48dNIMfklT
— 映画「今日も嫌がらせ弁当」 (@kyo_mo_iyaben) 2019年7月3日
母親は共感し、高校生くらいの子は少し気恥ずかしくなるような、リアリティのある親子関係が魅力的な映画でした。
劇中に登場するお弁当もバリエーション豊かで、愛情を感じます。
親子共通の話題がほしい方にはうってつけの名作だと断言します! もっとも、お弁当づくりが苦手な方はハードルが高くなってしまうかもしれませんが……