いまや夏休み映画の定番となった、細田守監督が手がけたアニメ映画『サマーウォーズ』。
コンピュータウィルスに立ち向かう、1人の男子高校生と田舎の大家族が織りなす笑いあり涙ありの名作が、今週末の19日(金)に金曜ロードショーにてテレビ放映されます。
今回はあらすじと見所をお伝えいたします。
サマーウォーズのネタバレあらすじを詳しく!
サマーウォーズは、インターネットが現実とは少し違う方向に大幅に発達した世界の日本が舞台です。
この世界ではインターネット上の仮想世界OZ(オズ)に自分のアバターを登録することで、ショッピングやゲームなどの娯楽だけでなく、納税手続きなどの公的手続きなどもほとんどOZで行うことが可能となっています。
主人公で高校2年生の小磯健二が、あこがれの先輩である夏希の実家に『アルバイト』として同行することになります。
あこがれの先輩だったので引き受けた健二ですが、彼女の提案したアルバイトはなんと「夏希の婚約者のフリをする」というものでした。
こうして、日本の命運をかけた一夏の物語が始まります。
健二と陣内家の個性的な面々
健二は内気で地味な高校生ですが、実は国際数学オリンピック日本代表を狙えるレベルの凄まじい計算力を持っています。
もっとも、意図せずにその才能が災いして世界規模の大騒動に荷担してしまったのですが、詳細は後述します。
彼が夏希の『婚約者』として訪れた長野県にある陣内家が、現実世界での主な舞台となります。
曾祖母である栄おばあちゃんの誕生日を祝うべく、確認できるだけでも十数人もの親族が集まる、由緒ある名家である『陣内家』の濃い面々も、随所随所で活躍を見せます。
そんな陣内家のなかでもキーパーソンとなるのは前述した栄おばあちゃん。
ヒロインの夏希。
格闘ゲーマー『キングカズマ』の異名を誇る世界的チャンピオンの池沢佳主馬(たまに勘違いされる視聴者もいるが、れっきとした男子中学生)。
そして、今回の騒動の最大の元凶である陣内侘助。
多くの親族が登場しますが、彼らを把握しておけば最低限の人間関係は理解できるでしょう。
ネットと現実を混乱に陥れた『ラブマシーン』
陣内家に集まった親族の多さに圧倒される健二。そんな彼のもとに、一通の謎のメールが届きます。
数学的パズルだと思い徹夜して問題を解く健二でしたが、これが大きな間違いでした。
前述したように、この世界の情報やプログラムのほとんどはOZで管理されています。もちろん、OZには高性能な管理システムが存在します。
問題を解いた翌日、テレビは大騒ぎ。『健二が人工知能にハッキングしてデータを乗っ取った』と報道されていました。
世界中のインフラは大混乱状態。信号も滅茶苦茶だし、電話線もしっちゃかめっちゃかの有様です。
騒動の原因となったメールを送ったのは、人工知能ラブマシーンという謎の存在でした。
友人である佐久間の協力でラブマシーンと対峙した健二アバターは潔白を証明することはできましたが、あっさりと瞬殺されてしまいます。
ラブマシーンは他者のアカウントを奪うことでどんどん強くなっていくAIで、最終的には小惑星探査機を核施設に落とそうとする非常に危険な代物。
そんなラブマシーンを倒すべく、健二と陣内家が奮闘する……というのが、ネタバレを抜いた中盤までのあらすじです。
物語のキーマンとなる男、侘助
元教師であり、役人から政治家まで多くの職業に幅広い人脈を持つ栄ばあちゃんの尽力により人々は落ち着きを取り戻し、事態は好転の兆しを見せていました。
ところが、このタイミングで陣内家に招かれざる客が訪れます。
栄の養子であり、かつて陣内家の財産を持ち逃げしていた男、陣内侘助です。
ピリピリした雰囲気の中で近況報告をする侘助。彼はさらっと、とんでもないことを発表します。
彼は天才プログラマーであり、今回の騒動の元凶である『ラブマシーン』の開発者だったのです!
もっとも、彼は悪人ではなく、むしろ栄を育ての親として敬愛していました。今回の報告も『ラブマシーンが認められてアメリカ国防総省からオファーが来た。金が入って栄に恩返しができる』という純粋な好意によるものでした。
しかし、他人に迷惑をかけている現状もあり、栄は激怒。「帰ってくるんじゃなかった」と不貞腐れて帰ってしまいます。
余談ですが、彼は夏希の初恋の人であり、健二を家族に紹介したときの偽の経歴は彼が元ネタです。
曾祖母の死をキッカケに1つになる陣内家
栄はその夜、息を引き取りました。ラブマシーンによるハッキングのせいで、病院が彼女の発作に気付けなかったのです。
ラブマシーンに負けた上に、曾祖母の死。悲しみに打ちひしがれる陣内家でしたが、栄の残した遺言書により再び再起を誓い、健二たちはラブマシーンへの反撃を試みるのでした。
世界中のアバターたちの協力と夏希の特技である『こいこい』により、ラブマシーンを倒すことには成功しました。
しかし、ラブマシーンはただでは死ななかったのです。
サマーウォーズのラストや結末と感想
ラブマシーンは悪あがきとして人工衛星を陣内家に落下させたのです!
あと数分で地上に激突したら、大惨事は免れません。ここで、健二に最大の見せ場が訪れます。
彼の天才的な計算技術により、軌道を逸らす事を閃くのです。脳のキャパを超えて、鼻血を出しながらも高度な計算式を全力で書き続ける健二。
そして、ついに式が完成。全力の思いを込めて叫びながら、送信ボタンを押しのでした。
このシーンが、よくネタにされている『よろしくお願いしまあああす!』です。
こうして、長い長い2日間は幕を閉じ、健二と夏希の距離も縮まり、物語は終わりを迎えます。
細田監督の他の作品と比べると、純粋にハッピーエンドで締めくくられていますね。
サマーウォーズには元ネタがある?
同じく細田監督が手掛けた作品に『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム』という作品があります。
ファンの間では有名な話ですが、この作品とサマーウォーズは全体的な舞台設定や話のノリがどことなく似通っています。
40分ほどの短編映画ですから、これを機に視聴してみるのもいいかもしれませんね。